動きながら考える!内科救急診療のロジック

救急のセッティングでの実際の動きを学べる本です。

・救急での行動、思考という、救急の「型」が学べる

・50ページで総論が学べる。

 救急の本では症候学(腹痛、発熱の鑑別など)が中心であり、患者がこの症候だと分かれば診断までたどり着けます。しかし、実際救急車が来ると何からしてよいかわからない、できたも時間がかかるという方もいらっしゃいませんか。この本は底を学ぶ本です。

まず第1部の内科救急のロジックでは救急でどう考え動くか、時間軸や緊急性の視点で説明されています。

 行動編では救急車が来る前から始まります。過去の記録があるならば患者の背景、医学的背景を理解するprepartionです。糖尿病、高血圧、喫煙歴のある患者の胸痛であればACSを疑えるなど救急車が来る前に心電図、エコーを用意する、循環器内科オンコールを調べておくとか心構えができますよね。そういった背景とリスクの表の記載もあります。

 そして救急車が来てから診察室に入るまでのpre primary survey、ここで大雑把に重症度を判断、すなわち「急がなければならないか」を判断し、その後primary surveyに進みます。もしもABCDに異常があるならば、それに安定させながら、初期検査、そしてsecondary surveyにへと至ります。

 その中でどういったことを評価すべきか、どういった行動をすべきか、検査にかかる時間も踏まえながら実際の現場での流れ、すべきことが体系的に学べます。「動きながら考える」ですね。血液検査、画像検査でどういったものが時間がかかるのか、そういった視点は救急車が重なる場合に特に役立ちます。時間の意識は大事です。

 続いては思考編です。考えながら動くことで時間とともに見つかったプロブレムリストをどんどん上げていき、そこから優先順位を決めます。

 優先順位の高いプロブレムは “ENTer”です。E:emergency( バイタルサインへの影響度が高いもの〔現段階だけでなく,今後悪くなると予想される場合も含む〕)N:new-onset(新たに発症したもの〔慢性の病態の急性増悪も含む〕)Ter:treatable(治療可能なもの〔ERで,もしくは入院初日に〕)*これらの頭文字をとって,“ENTer”=“入口”と覚えます。

 救急では見逃したらまずいもの、早く対応しなければならないものを逃さないことが特に重要であり、内科一般での鑑別とは違う側面があります。”ENTer”はそれに有用です。

 そして、そういったリストから鑑別を上げて実際入院、治療の必要性を判断するという流れです。

 以上を学ぶことで救急車を受けるときの型を学び、実際行っていくことで自分の型を作ることができるはずです。

 以上のことを第2章では7つのテーマで実際の流れを学べます。自分がその場にいるようなシミュレーションができます。

 こう書いてみるとボリューム盛沢山に見えますが、この本の良い点、それは全部で230ページ、総論は50ページ程度とコンパクトにまとまっています。

 やはり厚いと構えてしまってしんどいですよね、薄いことは正義です。読破できたという達成感も大事です。50ページであれば少しの時間でで読めますし、すぐに実践することができます。救急を回る直前に振り返りも簡単です。

今回は救急の姿勢を学ぶ本でした。救急の基本の「型」となる本だと思います。

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この記事を書いた人

膠原病内科・救急・総合内科外来を担う中堅内科医・指導医。日々、現場で研修医・専攻医と一緒に奮闘しています。
きれいごと抜きで「現場で本当に役立つバイブル」を若手に届けるため、臨床の傍ら、年間30冊・累計300冊以上の医学書を読み、論文にはない医学書だからこその視点で評価。普遍性の高い、日々の臨床のお供に選ぶべき『失敗しない1冊』をお届けします。

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