もう国家試験も終わり、ホッと一息ついている頃でしょうか。
「そろそろ研修医に向けて準備しなきゃ」と思い始める人もいるかもしれませんね。
ネットで「初期研修医になる前に読むべきおすすめの本」なんてキーワードで検索し始めている人もいるかも(もしかしたらそれでたどり着いた人もいるかも知れませんと思い、この記事を書いてみました。
というわけで、今回は、初期研修医になる前に読むべきおすすめの本を紹介します!
…と言いたいところですが、ちょっと待ってください!
実は、「絶対に読んでおくべき!」なんて本はないんです。
「おすすめの本」がない?!その理由とは??
「え?おすすめの本がないって、どういうこと?」と思いますよね。
もちろん、医学の知識は大切です。しかし、今、皆さんに必要なのは、分厚い医学書を最初から最後まで通読することではありません。
というか今そんなことしなくて良いです。
理由は主に3つあります。
- 医学は常に進化する:医学の知識は日々更新されており、今先んじて覚えた知識が、後に古くなっている可能性もあります。(膠原病で言えばガイドラインは追いついてないです・・・)
- 臨床現場では「実践」が重要: 研修医として働き始めると、座学で得た知識だけでは対応できない場面に数多く遭遇します。実際に患者さんを診て、経験から学ぶことの方がはるかに多いです。
- 必要な知識は人それぞれ: どの病院で(市中病院なのか大学病院なのか)、どんな診療科で働くかによって、求められる知識、専門性は大きく変わります。闇雲に勉強するよ
では、研修医になる前の貴重な時間を、どのように過ごすべきでしょうか?
私が皆さんにお伝えしたいのは、「全力で遊んでください!」ということです。

「遊んでばかりで大丈夫?」と不安に思うかもしれません。
しかし、これは決して無責任なアドバイスではありません。
- リフレッシュとモチベーション: 長い受験勉強を終えた今、心身ともにリフレッシュすることが何よりも大切です。十分な休息と、心から楽しめる経験は、研修医生活を乗り切るためのエネルギーになります。
- 人生経験の幅を広げる: 医師は、患者さんの人生に深く関わる仕事です。様々な経験を通して、人間としての幅を広げることは、必ず診療にも活きてきます。
- 今しかできないことをする: 研修医になると、まとまった休みを取るのが難しくなります。学生時代にしかできないこと、今だからこそできることに、思いっきり時間を使ってください。

あなたの好きなこと何でも構いません、友達を巻き込むのはもちろんもっと良いです。
大事なことは全力でやること、それだけです。
【実体験】私が国試後にやったこと
私自身、国試後には、以下のようなことをして過ごしました。
- 海外旅行: ビール好きが高じて、チェコへ一人旅。本場のビールを堪能し、異文化に触れる貴重な経験をしました。また行きたくなりました。
- 自転車旅行: 一人で数泊かけて1日100km踏破、様々な文化や自然、風景を楽しみました。もちろん体力はついた。
- 積読解消: 医学書以外の、読みたかった本を読み漁りました。
- ドラマ三昧: 好きになった「ER緊急救命室」をたくさん見ました、モチベーションが上がりました。

(チェコでは10Lぐらいビール飲みました・・・)
これらの経験は、今の私を形作る上で、非常に重要なものだったと感じています。
それでも何か学びたいという方へ
それでも何かを学びたいという意欲の高い方へ、私が学んでおいたら良かったなあ、と思うことを上げていきます。
身につけておきたい「お金」の知識
研修医になると、学生時代に比べて、自由に使えるお金が増えます。
しかし、お金の知識がないと、無駄遣いをしてしまったり、将来困ることになりかねません。

- お金の勉強は、早ければ早いほど良い: 資産形成には「複利」の効果が働くため、早いうちからお金の知識を身につけ、賢くお金と付き合うことが大切です。
- 学ぶべきこと: 収入の一部を貯蓄する、固定費を見直す、投資の基本を学ぶ(NISA、iDeCoなど)など。
お金は早くに学んでおいて絶対損はありません。
その勉強をするならば、人に聞くと騙そうとする人もいるかも知れないので、まずは本などで学ぶのが良いと思います。
おすすめの書籍を紹介します。
漫画 バビロン大富豪の教え
まずはお金の使い方、貯め方の基本を学びましょう。
漫画版は非常に読みやすくコンパクトなので、漫画版をおすすめします。
まずやるなら給料の10分の1を貯金しましょう、天引き等で講座を分けて習慣化してしまうのがおすすめです。
収入の一部を貯蓄し、インデックスファンドを始めとして全世界に分散投資をする、そういった考え方は早くに学んでおけばと思います。早ければ早いほど効果は大きいです。
本当の自由を手に入れる お金の大学
この本は貯める、稼ぐ、増やす、守る、使うのSTEPに合わせてお金の流れを学びます。
◎人生6大固定費の見直し方法
◎必要な保険は3つだけ
◎マイホームより賃貸をおすすめする理由
◎おすすめの副業8選
◎初心者でもプロに勝てる資産運用法
◎やってはいけない投資の見抜き方
最初の貯めるところ、では必ずつきまとう固定費、通信費、光熱費、保険、家、車、税金について記載があり、少なくともこれだけは理解して行って損はないと思います。
会話形式で読みやすく、もともとYoutubeをされている方なので、図も多く読みススメやすいと思います。まずはお金の貯め方を学び、それから増やすことも考えてみてはどうでしょうか。
Youtubeもありますので、動画が良いって人はそちらも検索してみてください。
(まとまってはいないので本をよむのがおすすめです。)
父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え
こちらはお金の増やし方について、特にシンプルな投資法、インデックスファンドへの投資についての記載がメインの本、という評価が多いかと思いますが、それはあくまで方法であり、最も大事なのは経済的に自立することです。
重要なガイドラインを抜粋します。

〈お金についてのガイドライン〉
・収入の範囲で消費する。借金はしない。
・ここに書いてあることだけをすれば豊かになれる。お金だけでなく、人生そのものが。
・借金するのは、血を吸う虫に覆われているようなものだ。
・ナイフを研ぎ、少しずつ虫を剥ぎ取りなさい。
・収入をあるだけ使っているのは、お金にまみれた奴隷でしかない。
・お金に無責任な人と付き合わないこと。そんな人にあなたのお金を触らせてはいけない。
・投資アドバイザーを近づけないこと。ほとんどのアドバイザーは自分のことしか考えていない。彼らと付き合って、よい運用先を選ぶのに時間を使うくらいなら、自分自身でやっていける。あなたのお金について、あなた以上に本気で考える人はいない。
・あなたは自分のものを所有しているが、同時にそれに縛られてもいる。
・お金で買えるものよりも貴重なのは自由であること。
・人生にはお金以外の決断もあるが、どんな決断でも、その経済的なインパクトを常に考えるべき。
・健全な投資は複雑ではない。
・収入の一部を貯めよう。お金を貯めていないことがあとで自分を縛る障害になる。
・節約してより多く投資すれば、「会社に縛られないお金」が早く貯まる。
お金を稼ぐだけ使っていてはいつまでもお金につきまとわれ、奴隷となってしまいます。
あれ買うために1回当直すれば・・・、こういう考え方にならないように、学んでおきましょう。
もしインデックスファンドを始めたいならばネット証券、楽天証券かSBI
良い習慣を身につける
お金以外では、もうできている人もいるかと思いますが、良い習慣を付ける方法を学ぶのも良いかと思います。
ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣
悪習慣はいまのうちにやめて、良い習慣を作るようにしておいたほうが後々楽です。
新生活になれば様々な習慣ができます。その習慣をしっかりマネージメントしましょう
良い習慣を続けるため、悪い習慣をやめるために具体的にどうするのか、その仕組みを理解できます。k仕組みを理解しておけば、どんなに忙しくなろうとも応用できるはず。
この本では習慣化したいけどなかなかできなかった人たちに、科学的見地をもとにどうすれば習慣化ができるのか、また悪い習慣をやめられるのかが学べます。
人生も積み重ねであり、未来の自分を形作るのは今の自分なのです。1%でも変われば、10年後には大きな差になるのです。だから早いうちにその1%を変える、そのために有効な方法を学び、良い習慣で良い人生を形作りましょう。
どうしても医学を学びたい人
どうしても医学を学びたいという意欲が高い方、ここまで伝えても医学書が良い、という方がいらっしゃればその方向けにお伝えしたいと思います。
「調べる力」を身につける重要性

医師の仕事は、知識を「覚える」ことももちろん大事ですが、限界があります。
必要な情報を「調べる」こともとても重要です。
国家試験とは異なり、臨床現場では、分からないことがあれば、調べて解決することが求められます。
- カンニングOK!: 誤解を恐れずに言えば、臨床現場では、分からないことを調べながら診療を進めることが許されます。むしろ、曖昧な知識で対応する方が危険です。
- 膨大な知識を記憶するのは不可能: 医学の知識は膨大です。全てを記憶することは誰にもできません。必要な時に、必要な情報を、迅速かつ正確に探し出す能力が重要になります。
- 「調べる力」は一生モノのスキル: 情報を効率的に収集し、取捨選択し、活用する能力は、医師としてのキャリアを通じて、常に役立ちます
ただしこれは今ピンとこないと思います。なので、今やるべきことではないのです。
持っておくと役立つ医学書・参考資料
これまで述べたように、医師としては調べることが重要です。
論文を読むことはもちろん重要なのですが、はじめからは大変です。
いくつか自分の調べることができる武器を持っていくのは大事だと思います。
まずおすすめは以下の2つです。
- 病棟マニュアル本: 入院患者さんの管理に必要な知識がまとまっています。
- 救急の参考書: 救急外来での対応に必要な知識が学べます。
それぞれの本については以下のブログを参考にしていただけたらと思います。
その後は自分の必要に応じて読んでいけば良いのではないかと思います。
くれぐれも、読んで嫌にならないように、揃えておけば良いと思いますので。

武器を揃えておくことはいいと思います。
でも、その武器は場所、状況によって異なるので、目星をつけておいて働きだしてすぐに買えるように準備しておくのがおすすめです!
ただし、これらの本も、最初から全て読む必要はありません。
必要に応じて、辞書的に活用するのがおすすめです。
モチベーションを上げてくれる医学書
話すことあり、聞くことあり 研修医当直御法度外伝
医学書というか自伝というか、といった本です。救急で有名な寺澤先生が感じられてきたことを追体験できます。モチベーションが上がるはず。
詳細は以下をご参照ください。
おわりに
色々書いてきましたが、伝えたいことは
「とにかく今を全力に楽しむ、遊ぶ!」
これが全てです。
研修医生活は、確かに大変なことも多いですが、しかし、その分大きなやりがい待っています。
皆さんをお待ちしております。
今のうちに、心身ともにリフレッシュし、様々な経験を積んで、最高のスタートを切ってください。
そして、困ったことがあれば、いつでもこのブログを思い出してください。
皆さんの研修医生活を、心から応援しています!
2022/2 追記
医師国家試験終わりましたね、お疲れさまでした。
本買うのもいいですが、audible聴き放題になったので、いかがでしょうか。
(コインで買ってた身からするとあんまりなんですが…一冊一冊大事に選ぶのも良かったし、より真剣に聞いたので。)
今から始めるなら間違いなくおすすめです。
聴き放題だとほんとに一冊一冊大事にしないで身につかないことが多いので、しっかり聴き込むのがおすすめです。
聴き放題だとほんとに一冊一冊大事にしないで身につかないことが多いので、しっかり聴き込むのがおすすめです。
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