初期研修医になったら読んでほしい、実際これまでおすすめして好評だった本をまとめて紹介します。
初期研修医におすすめする本とは?
おすすめするのは、薄くて通読することのできる本です。
まずは本を読んだという成功体験を積み重ねること、基本を徐々に作り上げていくことだと思います。確かに分厚い本というのはそれだけ詳細に書いてあるのですが、途中で挫折してはもったいないのです、まずは大まかに外枠を知って、それから深く進んでいきましょう。
特に初期研修医の皆さんによく聞かれるのは、救急・当直と感染症についてだと思います。
この2つは必ずついて回るものですが、体系的に勉強することは難しく、そして分量も非常に多いです。
この2つについて実際読んでおけば違っただろうと思う、必読の3冊を簡単に紹介します。
最初に必ず読んでほしいページ、参考になるページ数を書いておきます。これならすぐ読めるはず??
詳細はブログのリンク先を読んでみてくださいね!
動きながら考える!内科救急診療のロジック
総論:50ページ
まずは救急の基礎となる本です、この本は救急車が実際来てからどう動くのかが学べることがポイントです。
どういうときに急がなければならないのか、どのように患者に接しどのような思考過程をしているのかを言語化してあります。実際に研修していくうちにだんだんこういったことをするようにはなるのですが、はじめにこの本を読んで基本を身に着けてしまいましょう。
この本の使い方は救急や当直を始める前に読んで基本を身につけることです。
新装改訂版 もう困らない 救急・当直
1テーマ6-10ページ
上記の本は動き方を学ぶ本ですが、この本は実際来た患者ですべきこと(問診、身体診察、検査)、見逃してはいけないもの、誤診の元についてコンパクトかつ必要十分に学べます。
よくある症候、腹痛や失神、めまいなどそれぞれについて、急がなければならない状況、Vital sign、すべき検査から治療に至るまで一通り学べます。鑑別疾患も見逃してはならないもの、頻度の高いもの、比較的まれなものに分けて記載あります。
この本の使い方としては、実際前もって読めたらベストですが、手元においておき、救急が来るまでに余裕があれば対象となる症候をさらっと読む、また実際の診察を行った後に復習として読み足りなかったところはないかをチェックする、といった方法をおすすめします。
2023/2追記
これを読み終わってももっと勉強したい方はこちらを。
応用編といってよいこの本。
救急を見ている間に悩むこと、家族問題、入院させてほしい、社会的な処方が必要な患者、診断がつかないとき・・・などなどが満載です。
救急でのACPを始めてよいかなど新しいテーマにも踏み込んでいます。
救急だけでなく外来でも役立つ1冊ですので、余裕がある方は。救急はじめて慣れてきた方には特におすすめ。
感染症診療のロジック
総論:80ページ
感染症は微生物、それぞれの感染症、抗菌薬と勉強することはたくさんあるのですが、まずは考え方の基本を学ぶことが大事です。基本はしっかり固めておく必要があります。
感染症の5つのロジックを対話形式で読みやすく書いてあります。患者の背景を知り、どの臓器の感染かを考えることで微生物を想定し、だからこそ適切な抗菌薬を選択することができるようになります。そして、適切な経過観察ができるのでこのままでよいのか、考え直すべきタイミングなのかを判断できるのです。
医師になったらカンニングはしてよいのです、抗菌薬の種類や微生物はすぐに調べればよいのです。
感染症に関する基本はしっかり学んでおかないと医師人生を左右すると思います。どの科に行こうとも必ずついて回りますよ。
もう10年前の本ですが、基本は変わらないことを証明できる本だと思います。
おわりに
以上3冊を紹介しました。ポイントだけなら1日もかからず数時間で読めると思います。
今は遊ぶことが一番大事ですので、そちらを優先してください。
研修医として働きだしてからでも十分間に合いますから。
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