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あの研修医はすごい!と思わせる 症例プレゼン

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内科
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はじめに

 プレゼンって難しいですよね。これもやはり最初に基本を学んでおきましょう。

 プレゼンについて研修医に指導することもありますが、いくら方法を教えてもどこかしっくりこない、あまり良い方向に改善しない、って思うこともありましたが、この本はなぜぞうなるのかが理解できました。「聞き手」を意識したプレゼンを学びませんか?

・フルプレゼンからコンサル、学会発表まで様々なプレゼンの基本が身につく

・聞き手のニーズを考えたプレゼンをすることで臨床能力が向上する

 プレゼンって人それぞれ、様々な方法がありますが、やはり基本が大事です。

 もちろん順序やお作法、すなわちアウトプットの方法を学ぶことも大事なのですが、この本では基本が「聞き手にあること」を強調されています。

 大事なのは自分の中にある内容を聞き手に合わせて”うまく”アウトプットすることです。

 循環器内科、外科で大事な情報は違います。心エコー所見はともに述べると思いますが、重要性、ポイントが違うのは想像できますか?前者は診断に関わり、後者は手術のリスクに関わります。こういった「聞き手のニーズに合わせたプレゼン」が大事なのです。

 それぞれのSTEPの最後には本書よりまとめも抜粋させていただきます。

STEP1 プレゼンテーションの基本

STEP 1では基本をまず学びます。

 以下同書より基本を抜粋します。

・プレゼンテーションの「基本のキ」

  何より「聞き手のニーズ」に合致している

 「順序」「形式」に従って、共通の思考回路である

 「伝え方」も十分トレーニングされている

 全ては聞き手のニーズが基本です。ショートプレゼンもフルプレゼンも形式の違いではなく聞き手のニーズの違いなのです。聞き手が何を求めるかによって変わるのです。

 そのためにも聞き手の立場に立つ、聞き手を知ることが大事です。相手のニーズがわかっていれば適切な情報を適切な時間(できるだけ短く)伝えることができるようになります。

 また、相手のことを考えれば時間軸と論理の流れを守るというキホンは当たり前に感じられるのではないでしょうか。そのキホンを守らないと思考、診断推論がやりにくくなってしまいますね。

 続いて基本となるフルプレゼンテーションについて学びます。現病歴に関連する既往歴は先に述べること、客観的所見と主観的所見を分けること、所見とアセスメントを分けること、など実際間違えがちなところも含めて実際の流れを学びます。

 それ以外にも話し方や見た目、練習など知っておいて損はない基本も満載です。5-finger rule(音量、速度、つなぎ言葉、音程、間)まどビジネス本の要素もしっかり含まれています。

・聞き手のニーズを理解する必要性

特に根源的ニーズ「過不足なく、迅速に」

そのために「順序」「形式」「伝え方」が大切

STEP2 いざ実践! 日常診療でのプレゼンテーション

 STEP2では様々なシチュエーションでのプレゼンを学んでいきます。

 質の高いプレゼンテーションのために大事なことをフルプレゼンテーションの形式で勉強していきます。大事な点は①網羅的情報収集、②断捨離、③抽象化:共通言語化です。これをやはり「聞き手」という視点を主として説明されています。

 まず①網羅的情報の収集です、結局は網羅性が大事であり情報が不足しても過剰であってもだめなのですが、まずは網羅的に知ること、すなわち担当患者は自分が一番詳しくなるべき、という理想的ですが一番重要なことが強調されています。

 そして②断捨離です。集めた情報をすべて話しては長いため適切に取捨選択をしますが、それも聞き手のニーズに合わせて捨てることが大事です。すなわち聞き手は誰か、そして話し手はどう診断したかを伝えるために必要な取捨選択を学べます。

 最後に③共通言語化です。共通言語化することとはなにか、そしてそれをすることで過不足なく迅速な情報提供をすることになぜ有意義なのかが説明されています。

 以上でフルプレゼンテーションで基本を学んだ後、定期的・臨時のショートプレゼン、上級医のコンサルトを学んでいきます。

 この中で、能動的プレゼンテーション、伝書鳩になるのではなく、アセスメントして自分が次にやるべき行動、プランをプレゼンに含むことの重要性も指摘されています。能動的であることで、フィードバックをもらうことを通じて自分の臨床能力向上へとつながっていきます。

 また、本書にあるような、上級医にはできる限り客観的情報(画像、血液検査)を織り交ぜた、提案型のプレゼンテーションをできるようになると、上級医からの信頼も勝ち取れるようになるのではないでしょうか。上級医へのコンサルトって嫌ですよね・・、少しでも上手になりましょう。

・質を高めるための網羅的情報収集・断捨離・共通言語化

・ショートプレゼンは2つあり、経時的な経過を説明するものと、緊急度の高いものがある。その緊急度は話し手が判断する責任がある

・コンサルは動かしてなんぼ。それには、表現などの方法論もあるが、信頼も必要になる

STEP3 相手を動かす! コンサルテーション

 STEP3はコンサルテーションです。

 コンサルテーションで大事なことは本日の方針とコンサルトに何をしてほしいのか、方向性を明確にすること、そして緊急性と目的を明確にすることです。

 具体的な方法としては敬意のサンドウィッチをうまく使うこと、そして内科系コンサルテーションでは主治医と論理性、外科系コンサルテーションでは診断と侵襲的治療の適応・リスク、マイナー化では知識が足りないことをベースに診断と治療、一緒に見ていただくこと、など「聞き手」に合わせたコンサルテーションを学べます。

 これをしっかり学べばコンサルテーションも得意になるし、コンサルト受ける側もやりやすいと思います。

 また、このSTEPでは医師だけでなく他職種へのコンサルも、具体的な例を含めて説明されています。意外と意識していないことですが、もっとよく患者を見る上で必要なことが満載でした。ぜひチェックしてください。

・ コンサルテーションは相手をうごかす

・ 相手のニーズをより詳細にかんがえる:医学的ニーズと個人的ニーズ

・ 「目的」と「緊急度」を明確に示す

STEP4 学会・レクチャーでのプレゼンテーション

 最後に口頭発表、ポスターセッション、講演について学べます。

 基本の型をしっかり学べますが、基本無関心であるということを知り、聴衆をひきつける重要性を理解できます。

・無関心であることが基本と心せよ

・聞き手の立場に立つべし

・フィードバックを積極的に

まとめ

 以上プレゼンの本でありながら考え方を学び、自分の臨床力を高めることのできる本をご紹介しました。

 「聞き手」を焦点に置いたプレゼンの本は類を見ないと思います。

 聞き手の立場に立ち、聞き手のニーズを満たすことはプレゼンだけでなく他のことにも役立つはずです。プレゼンを通してしっかり学んでおきたいところですね。

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