数々の医学書読んでいますが、自分が専門としているリウマチ・膠原病に関してはほとんどの医学書を買っている自負があります。
以前は数少なかったのですが、本当に良い本がたくさん出てきていて、どの本も素晴らしいと思うのですが、種類が多く、どれを読めばよいか悩まれる方も多いのではないかと思っています。
今回、たくさん読んできた私が、今学び始めるならばこれをまず読む、と言える本を3冊紹介したいと思います。とっつきやすさ、薄さ、網羅性など様々な点を加味して選びました。
最後に英語ではありますがおすすめの本も選びました。深く勉強したくなったらそちらもぜひ。
ロジックで進める リウマチ・膠原病診療
リウマチ膠原病の診療の全体像が把握でき、膠原病に対する姿勢を学べる
読みやすく、面白く、薄く、そしてお手軽な価格
まず手に取るならこの本ですね、とっつきにくい感があるかもしれない膠原病の入門に最適です。
通読しやすいところも大きい。
リウマチ膠原病のイメージはとっつきにくく、どう診たらいいかわからないというものではないかと思っている方は多いのではないでしょうか。
私も昔はそうでしたが、やってみるとそうではないし、やりがいも面白さもあると今は思います。
やりがいや面白さだけでなく、これでいいならやってみようかな、と思える本だと思います。
リウマチ膠原病にもロジックがあり、どういった姿勢でリウマチ膠原病と対峙するのか。
リウマチ膠原病だけでなく、医師としてどう向き合うのか、にも通じるのではないかと思います。
入門書として、リウマチ膠原病の診療を俯瞰できる本、歴史を学ぶ本としておすすめです。
薄く、読みやすい語り口で、コラムも秀逸。
値段も研修医、初学者が手に取るのにお手軽なのところも素晴らしいです。
萩野先生の語り口が心地よいですね
同著者の本であるジェネラリストが知りたい 膠原病のホントのところもおすすめ。
こちらは対談形式で少し臨床に慣れた頃に読むと疑問が解消されるのではないでしょうか。
レジデント・ジェネラリストのためのリウマチ・膠原病診療
問診、診察、検体所見から膠原病へのアプローチ、最新のフローチャートと網羅性が高い
本を買うと電子版がついてくる(医書.jp)
網羅性を考えて今1冊持っておく本としてこちらを選びました。
一言でいうとバランスがよいです。
正直ここは、ケースでわかるリウマチ・膠原病診療ハンドブック、関節リウマチの診かた,考えかたver.4と非常に悩みましたが、
網羅性と一番最新であること、及び電子版がついてくるという点から、この本を最善としました。
膠原病だけではありませんが、まず身体所見や問診が非常に大事ですが、しっかり最初に解説されています。
変なクセが付く前に、頭から足先まで効率よく診る方法を学んでしまいましょう。
その他問診の大原則、画像診断について学べます。
そこを学んだ後は診断へのアプローチです。
膠原病に特徴的な痛みからのアプローチや検査値からのアプローチ、画像検査からのアプローチといったように先ほど学んで使えるようになったものを利用して診断に迫ります。
続いての診療科からのアプローチは膠原病に進まなくても役に立ちます。
通読も可能ですし、一般的に必要な知識から、ミミックなど陥りやすいピットフォール、そしてフローチャート(いま出ている膠原病の本の中では最新)まで網羅的に記載されており、
とりあえず持っておいて損はないと思います。
しかも、本を持っていれば電子書籍(医書.jpのシリアルナンバー)がついてきて、スマホやタブレット、パソコンで読むことも可能(しかもダウンロードしておけばネットに繋ぐ必要なし)。
この点は類書と比して抜きん出ています。
とりあえず1冊買うならこれかなあと思います。続編にも期待しています。
実際の本も電子書籍も同時に手に入るのは便利です。
自分の席で読むもよし、スマホでさっと調べるもよし。
これって膠原病?コンサルト実況解説50選
膠原病と間違えやすいミミックを学び、引っかからないヒントを学べる(コンサルト形式)
なにか変?、に気づくように感度を高められる
上2冊でお腹いっぱいかとも思いますが、もう一つ選ぶならということでこの本選びました。
リウマチ膠原病を診ていくうちに、リウマチ膠原病の顔をしたリウマチ膠原病出ない疾患に出会うことも多いです。そのためには、何よりも膠原病じゃない、なにか変、って気づけることが大切だと思います。
この本では、膠原病科にコンサルトをいただいたという形式で、膠原病でないと気づいた点、その後の問題点の整理、Rheumatologistの視点から診断に至るまでが記載されています。その中で、違うと思った考え方がわかるので、ただのミミック集としてだけではなく、気づきへのヒントが学べると思います。
ほんとに騙されるので、知っておいて損はないのではないかと。上記2冊にもミミックはありますが、この一連の流れが非常に良いと思います。また、表や図が特に秀逸です。
すごくまとまっていて役立ちます。
膠原病専門ではない人も、こういった表情を示すご自身の専門の病気も入っていると思いますので、役立つと思います。
臨床での疑問はこういうふうにアプローチして調べる、という点も学べますよ!
番外編:Rheumatology Secrets
日本語の医学書でもたくさん良い本は出てきているのですが、簡潔さという点ではこの本を超える本はないかと思います。
英語とはいえ読みやすいと思いますし。
膠原病を専門とするならばぜひ一読をおすすめしたいです。
まとめ
以上、苦渋ではありますが3点、そして番外編を1冊選ばせていただきました。
ほんとに悩ましかったです、良い本は増えましたね。改めて引っ張り出してきて色々読んだのですが、この他にもたくさんいい本あります、そりゃ悩みますわ。。。
数年経てばこのラインナップも変わるのでしょう、それくらいたくさん本出ています。他のレビューサイトで出てくる本ではなくなりましたが、これが2024年3月現在のベストとします。
ただし、膠原病は治療含めてどんどん新しくなっていきますので、最新の論文も読んでおかなければなりません。
最新の論文に簡単についていく方法も下記に紹介しております
最新に追いつきましょう!
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