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総合内科病棟マニュアル

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内科
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とりあえず一つ持っておいたら便利、すぐ手に取れるところにおいておくべきマニュアルです。

・一連の流れを時系列でコンパクトにまとめてある。

・退院前アクションプラン、すなわち退院のタイミングと退院後のプランが記載

 季刊誌ともいえる雑誌Hospitalist、毎号各テーマについて最新のエビデンスをもとに編集されており私も購入している雑誌ですが、そのの面々による(と私は認識している)病棟、救急で使える「純国産」マニュアルです。

 この本の良い点は各疾病、病態に対して、内科医に求められる評価、マネジメント、退院前の再発予防などが時系列で記載されている点です。具体的には(初期対応)→病歴→身体所見→(初期)検査→(初期対応)→入院後マネジメント→退職前アクションプランといった感じです。

 この時系列がポイントです。実際患者を見る場合上記のような流れが基本になります。この本ではその基本的な時系列に沿って各疾病、病態毎に記載があるため、このマニュアルを読みながら、実際その疾病に遭遇した場合にどのように対応するか、イメージが湧きやすいと思います。そしてコンパクトなマニュアルですので、持ち歩きながら遭遇するたびに読むことを繰り返せば一つずつ自然と身についていくのではないでしょうか。実践的なマニュアルと言えます。

 pocket medcineやワシントンマニュアルなどの他にも良いマニュアルはありますが、この時系列順で記載されているマニュアルは他に見たことはありません。

 また、病棟で出会う疾患は基本的に過不足なく網羅できていると思います。もちろん急性心不全や急性膵炎などの感染症から、GIM的な要素、refeeding症候群やせん妄、不眠症、ポリファーマシー、尿閉など、「これどう対応したらいいんだ?」といったところまで含まれており、かゆいところにも手が届く本だと思います。 COPDならば普段の治療ではなく急性増悪時の対応のみであり、より入院適応症例に絞った本です。 第17章の「食べられない」などまとまっているマニュアルはないですよ。

 そしてそれぞれの項目もコンパクトながら細かいところまで記載があります。例えばCOPDの急性増悪ならば、病歴としては日常生活への影響を確認すること、既往で不安抑うつを確認(COPD患者で発症しやすい)、SpO2は連続測定が重症度評価で有用、目標SpO2、すべてのCOPD患者にSABA吸入は1時間~数時間後毎に行う、ステロイドは点滴内服で治療失敗・再発・死亡リスクは同等、5日間と2週間で再増悪に対する効果に差はなし、NPPV適応、などなど細かい、悩みやすいところが網羅されています。ステロイド使うのは知っているけど点滴?内服?どっちがいいの?期間はどれだけ??といったところは悩みやすいところですし、そういった点からもより実践的だと思います。

 そして退院前アクションプラン、これがもう一つの目玉と考えます。どのタイミングで退院を考慮するのか、退院前に評価しておくこと、退院時に必要な説明などがコンパクトに記載されています。

 入院した時点で診断したはずなので、その時点での退院まで計画はできるはずです。そこから逆算してリハビリや栄養指導、内服調整などを検討していくことがスムーズな病棟管理につながるはずです。治療終了すれば退院ではありません。

 例えばCOPD急性増悪ならば退院時に酸素飽和度。血ガスPaCO2値を確認する、今後の増悪における人工呼吸を含めた対応を話し合っておく、吸入に関し薬剤師に説明を依頼、安静時SpO2<88%ならHOT導入、GOLDⅡ~Ⅳの症例では呼吸リハビリ導入でQOLなどの改善だけでなく死亡率も低下?、少量マクロライドの導入に関して、など退院後や再入院となった際のことも考慮した、退院に向けて取るべき行動が満載です。退院すればよいのではなく、入院でしか出来ないことを行っておくこと、今後再入院を減らすためにできること、外来でのマネージメントにつなげることなどは、特に外来を持たない研修医は最初から意識してもらいたいと思います。

 もちろんマニュアルなので、実際の薬剤の使用例も日本のdoseで記載されていますよ。

 この本の難点として索引がないとから不便だという意見もありますが、索引はここからダウンロードできます。冊子版も送付してくれるみたいです。

しかし、使っているうちに見たい場所をすぐに開けるようになるくらい使いこむのがベストだと思います。

厚みはありますがなんとか白衣のポケット、スクラブのポケットに入ります。日常診療、病棟のお供としていかがでしょうか。

2022/1追記

第2版にパワーアップしました!!

2021年に第2版が出版、青本、赤本となりパワーアップしました。

病棟の基礎となる赤本、疾患別の青本で、青本の良さは見ていただければひと目で分かりますが、特に初期研修医、専攻医におすすめするのは赤本(総合内科病棟マニュアル 病棟業務の基礎)です。

病棟業務って体系的に習わず、なんとなくはじめに勤務した病院の約束、決まりごとを見様見真似で身につけていくことが多いと思います。(受け継いだセットを使ったりしますよね)

その時習ったことが正しければよいのですが、病院によってやや癖があるのが現状だと思います。

なので、癖が身についてしまう前に体系的に学び身につけること、それが後に非常に役立ちますし、有利だと思います。

私は修正するのに苦労しました。。。

赤本を読み込んで身につけること、是非オススメします。

赤本はデスクに置いておき、青本を持ち運ぶことのが良いと思います。

コメント

  1. […] […]

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