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内科医の私と患者さんの物語

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内科
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はじめに

本日は、とても面白く幸せな気分になった本をぜひ紹介したいと思います。

あまり話題になっていないのがもったいないと思う本です。

この本の著者の岡田定先生は血液内科としてご高名な先生です。

レジデントのための血液診療の鉄則は血液内科の医学書としてはバイブルの本だと思いますし、

他にも見逃してはいけない血算 誰も教えてくれなかった 血算の読み方・考え方などたくさんの実用的な医学書を書かれており、読んで勉強された方も多いのではないでしょうか。

今回の本はその岡田先生が、患者さんとともに歩いてきて経験したことや感じた、患者さんとの「物語」が語られている本です。

内科医の私と患者さんの物語: 血液診療のサイエンスとアート

医学生に特におすすめします。

・「患者さんの物語」を通じての経験をありありと追体験できる。

物語を読みながら、医療のアートとサイエンスを学べる。

どこか血液内科ってとっつきにくいというか、難しそう、苦手意識を持っている方も多いのではないかと思います。私もその一人です。

この本では、そういった風に感じてしまう血液内科の先生がどういう風に診療し、経験し、感じたのか、その温度感までを感じることができる本だと思います。

血液内科はおそらく一番患者の生死に直面することの多い科と言っても過言ではないかと思います。(特に若年齢で)。重大な選択を迫られることも多いのではないでしょうか。

そういった生死と向き合う中で、患者さんから教えられたこと、伝えられたこと、それぞれの物語がありあり描かれており、実際にその経験を追体験できるかのように感じられた本でした。

患者さんの物語だけでなく、コラムの私の物語も胸に刺さるものばかりでした。

この本の序文から抜粋します。

「患者さんの物語」とは,その光り輝く水滴の出来事を集めたものです。出来事を集めただけではなく,それぞれの出来事に対して,自分なりの「意味づけ」をしたものです。10年,20年という長い時間のフィルターをかけて物語を見直すと,それぞれの物語が特有の色を放っています。

 物語は,近くで見ると「水滴」からできていますが,遠くから見ると「虹」のように見えます。虹のように,七色(赤,橙,黄,緑,青,藍,紫)に輝いています。赤色に見えるのは「感慨深い物語」,橙色は「忘れられない物語」,黄色は「トリッキーな物語」,緑色は「リビングウィルの物語」,青色は「生活習慣病の物語」,藍色は「奇跡的な物語」,紫色は「本当にあった超科学的な物語」というわけです。

内科医の私と患者さんの物語(岡田定、医学書院)https://shinryobunko.co.jp/item-detail/777629より引用

7色の物語を是非読んでいただきたいと思います。

そしてそれぞれの物語は、最後にサイエンスとアートに分けられて記載されています。

読みやすく面白い物語を読んだあと、医療の基本となるサイエンスを学ぶことができます。

経験の後にサイエンスを学ぶとより知識としても定着しやすいと思います。

人間ドッグでACPについて伝える、というのはは今後ぜひ真似させていただきたいと思います。

そして大事なアートについて、サイエンスをどう患者さんに適応していくのかということは、サイエンスと同時に学んだほうが良いと思います。

アートとサイエンス、ではなくこの本ではサイエンスとアート、なのです。

締めの言葉として最後に印象的な言葉を引用します。

「医療者である私たちを心の底から支えてくれるもの」とは何でしょうか。

 それは,「患者さんとの人間的な交流によって,感動し,発見した」という経験ではないでしょうか。「唯一無二の患者さんの物語に巻き込まれ,一人の人間として心揺さぶられた」経験だと思います。

 「患者さんの物語」とは,「患者さんから学んだ自分の物語」でもあります。物語に学ぶことで,医療者として,また一人の人間として生きていく力が与えられます。

内科医の私と患者さんの物語(岡田定、医学書院)https://shinryobunko.co.jp/item-detail/777629より引用

終わりに

今回は人生を感じられる本を紹介しました。

血液内科とはどんな科なのかも感じられ、元気をもらえる本だと思います。

学生のときに出会っていたらまた違った道を歩んでいたかもしれません。

医療に関わる方だけでなくすべての人におすすめできます。

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