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【2024年】最初におすすめする1冊【医学書・研修医】

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内科
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 医学書は年々増えてきており、昔から色褪せない名著もありますが、今ならもっとおすすめできる本も出てきていると思います。

 医学書の紹介に関して、様々な本が並列表記されていて、結局どれを買えばよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか。

そんなたくさんの本の中から、「まず最初に手に取る、読むならこの1冊」を独断で1冊に決めて紹介したいと思います。
正直その日の気分でも影響するかもしれませんが、今思いつく最善の1冊とします。

選定基準として大きく今回選んでいるのは網羅性ではなく、
その分野に興味を持ってもらうために手軽に手に取りやすい本や、最初に読むと役立つと考える本、としています。

網羅性でのこの1冊、は別の機会に紹介します。そのためいわゆるマニュアル本やこれ1冊持っていればOK、という本は今回は含まれませんのでご注意ください。

おすすめする対象:初学者
読んだことのある医学書のみから紹介
評価ポイント:その分野に興味が持てる本>>>網羅性

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病棟~入院患者管理パーフェクト~

病棟医として働くうえでの基礎が身につく
タイムマネジメントやこれからの学習法を学べる

研修医が主に担当するものは入院患者だと思いますが、最初は何から手を付けてよいのか、何をしたら良いのかわからないのではないでしょうか。

そういった最初の一歩におすすめなのがこの本です。

この本はなんといっても総論~第1章 研修医の病棟での仕事術が類書なく特におすすめしたい点です。そこまでならだいたい70ページ、すぐに読めると思います。

入院患者の診療の進め方、振り返りの方法、病棟患者を受け持ちカンファなどその他の業務がある際のタイムマネジメント、プロブレムの立て方、わかりやすい指示などぜひ最初に学ぶべきことがコンパクトに書かれています。

病棟での進め方だけではなく生涯学習の仕方やメンターの見つけ方など、これから研修していくにあたり重要なことの大筋が学べると思います。

2章以降も入院患者でである様々な問題や高齢化による問題(ポリファーマシー)など幅広くカバーされています。内容もコンパクトでその分足りないところもありますが、最初に読むなら十二分でしょう。

タイムマネジメント等と読みやすさからこちらを選びましたが、
総合内科病棟マニュアル(赤本)もおすすめです(次点)
内容は似ていますがより具体的でコンパクトかと。

総合内科病棟マニュアル 病棟業務の基礎(赤本)
総合内科病棟マニュアル(NM)第1版が2017年に刊行されてから,はや数年が過ぎました。非常に多くの方にご活用いただいており,医療現場において本マニュアルが一定の役割を果たしていることを実感しています。 一方で,第1版で扱った疾病や病態の評...

救急診療科~動きながら考える!内科救急診療のロジック~

時間成約のある救急での効率的な動き方を学べる

救急診療は数々症候について詳しく書かれた本は多いのですが、救急がその他の外来と一番異なるのは時間の制約と緊急性の判断、であると思います。

もちろんこういう症状で運ばれてきた人にどういう鑑別をあげ、どういった検査を等が必要かを学ぶことはもちろん大事ですが、最初から時間軸を意識することはもっと大事なのではないかと思います。

この本では初期診療を「行動」と「思考」に分け、行動は6つのステージ(Preparation, Pre-Primary survey, Primary Survey, 初期検査, Secondary Survey, 追加検査・治療介入,Disposition)に分け、各ステージで必要な行動を学ぶことで手や足が止まらず診療を進められるようになります。

思考編では救急外来でのプロブレムリストの上げ方と統合の仕方を学びます。

これを後半の各論で実際の症例で学ぶという流れとなりこちらも実践的です。

総論だけならば50ページ、すぐ読めるはずです。

初期診療に苦手意識がある人ほどおすすめします。

感染症~感染症診療のロジック~

何年経っても色褪せない感染症のロジックを学べる

COVID-19等様々な新興感染症も起きていますが、感染症診療のロジックは不変であり色褪せません

この本は2010年発行という古い本なのですが、ロジックを学ぶうえでこの本ほどコンパクトかつ読みやすい本はないと思います。

5つのロジックを9つのキホンにわけて、対話形式で繰り返し大事な点が述べられていますので、読んでいる間に自然とキホンが身につくと思います
キホンだけなら100ページ以下ですので、少なくとも数日で読めるところも良いところ。

敗血症の記載などは古いですので気をつけなければならないですが、最初に読んで基本を見につけてほしいです。

久しぶりに見たら品切れで書籍中古以外にない?大曲先生忙しいでしょうけど改訂してほしいです。。。

膠原病・リウマチ科~ロジックで進める リウマチ・膠原病診療~

膠原病をどう「疑い」どう「迫る」か、思考過程を学べる

膠原病も様々な本がありますが、どちらかといえばそれぞれの疾患についてどういう症状があるのか、どういう治療があるのかを主軸に書かれている本が多く、むしろどこで疑ってどう診断すればよいかが書かれている本は少ないと思います。

そのなんとなくとっつきにくいリウマチ・膠原病へどうアプローチするのか、その思考過程を学べる本です。

疑う(Suspect)、迫る(Purse)、除外する(Rule out)、フォローする(Follow up)の4つのロジックを用いて学びます。PMR、血管炎の時の血液培養などClinical Pearlも満載、マンツーマンで学べるようにも感じます。

最初の「覚えておくべき即席膠原病診療」もとても秀逸だと思います。

治療については極力記載がシンプルにされている印象で、それはむしろこの本じゃなく別の本で学ぼうね、というメッセージだと思っています。

この本もぜひ改訂してほしい一冊です(2018年)、ロジックは変わらないのは十二分にわかっておりますが。

循環器内科~循環器病棟の業務が全然わからないので、うし先生に聞いてみた~

見開き1ページでざっくりと説明

この本は循環器病棟の業務にフォーカスしているだけでなく、病棟で出会う様々なトラブルやプレゼン、上級医との付き合い方など多岐にわたる疑問について、見開き1ページでざっくりと説明してくれます。

X線や心エコー、心電図等の検査のざっくりととした見方や心不全薬、抗不整脈薬、DOAC等の薬剤の使い方、使い分け等幅広い範囲もカバーされています。
循環器をローテートする人はもちろん、当直で循環器疾患見るの不安な人など初期研修医すべてを含む様々な方に一読していただきたい本の一つです。

Q49 カテーテル検査の適応は何歳までですか?
Q58 夜間病棟での頻脈・徐脈は,どのくらいまで様子を見てOKですか?
Q83 他科から抗血栓薬を中止してよいか相談されました

目次抜粋してみましたが、気になるテーマではないでしょうか。

ざっくり説明することは詳細に説明するより難しいんですが、サラリとされています。

呼吸器内科~呼吸器内科ローテート コスパよくサバイバルする~

呼吸器専門医が研修医に最低限知っておいてもらいたいことがわかる

呼吸器専門医が
”「最低限これぐらいのことを知っておいてもらえるとすごく教えやすいのになぁ」とか「せっかくの限りある実習時間・研修時間をできるだけ実り多く過ごしてもらうためには、こういう知識だけ知っておいてもらったらいいのになぁ」ということ”が書かれた本です。

決してあんちょこな本ではなく、様々な略語や呼吸器内科で使用される抗菌薬・抗がん剤の一覧、胸部XpやCTの読み方、肺がん治療の大枠の進め方、気管支鏡検査や胸腔ドレーンなどの手技まで幅広く、かつ簡潔に説明されています。

○○を見たらこの病歴・この検査などは秀逸だと思います。

250ページとコンパクトで文字数も多くなく図表も多いので、すぐ通読できるところもおすすめ。

消化器内科~消化器疾患のゲシュタルト~

著者それぞれの頭の中、考え方を覗くことができる

消化器内科は初学者向けで読みやすいこれ、っていうのは正直あまりなかったり、もしくは古かったりして非常に悩みました。あまり初学者が最初に手に取るものでは結果ないかもしれませんが、興味が持てるのではないかという点で選びました

ちょっと内容は難しく、初学者向けではないかもしれませんが、比較的読みやすいのではないか、そして総合診療医や救急医、消化器内科医などそれぞれの疾患をよく知る医師がどう考えているのか、が分かる本になります。

消化器疾患、または消化器内科に紹介されうる全27疾患を症例ベースで紹介されており、それぞれの著者の色が濃いので、様々な医師の見方を追体験できるのが良い点かと思います。

腎臓内科~長澤先生、腎臓って結局どう診ればいいですか?~

エビデンス+実臨床でどう行っているか、を学べる

この本はとにかく読みやすさももちろんのところ、様々な腎臓内科の疾患で、実際どのように診断、加療をしているかを具体的に提示しているところが素晴らしいです。

例えば高血圧のガイドライン(JSH2019)では極的適応のない場合はARB、ACE阻害薬、Ca拮抗薬、利尿薬から選択する、と並列になっているけど実際どれを最初に使うのか、その疑問に筆者が実臨床でどう薬剤を選択し使用しているかが書かれており、すぐに臨床に役立つはずです。

エビデンスを超えた実臨床を学べるのが医学書の良いところですね。

213ページですが、それぞれの章のメリハリもあってすぐ読めるはず。

血液内科~診療所/一般病院の血液診療Do&Don’t~

何をすべき(Doで何をすべきではないか(Don’t)がわかる

血液内科の本は岡田定先生の本がおすすめですが、比較的新しいところとまず最初にやるべきことがわかりやすいと言う点でこの本を選びました。

この本は貧血、白血球減少、血小板減少、汎血球減少、出血傾向、リンパ節腫脹、M蛋白血症と血清蛋白異常といった日常診療でよく出会うものにどう初期対応し、逆に何をしたらいけないのかがひと目で学べ、それを通じて血液診療で本当に大事なことはなにかが学べます。

治療だけでなく患者説明にまで言及されているところも良いポイントです。なかなか類書ありません。

血液内科の専門的な内容というよりは一般的に見る病態から入るほうが最初はとっつきやすいと思います。興味があればより専門性のある本へ(例えばレジデントのための血液診療の鉄則など)進むことをおすすめします。

次点としては
内科医の私と患者さんの物語: 血液診療のサイエンスとアートです。

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血液内科を学ぶ本ではないので次点としましたが、血液内科医としての物語が書かれた本、ぜひ読んでみてほしいです、元気になれます。
ちょっと臨床に疲れたりイライラしたときにぜひ。

詳細はこちら。

内分泌・代謝内科~みんなの疑問はこれで解決 できる!糖尿病診療~

エビデンスに基づく治療薬だけでなく、食事療法・運動療法などの患者指導まで学べる

内分泌・代謝内科の本もどちらかといえば体系的にまとめた、マニュアル的に優れた本が多く、初学者向けに読みやすい本はぱっと思いつきませんでした。

全体的な内容ではなく、糖尿病であればこの本が読みやすくかつ何が大事かを学べると思います。

もちろん薬物療法は大事で、そこにフューチャーされた本が多いのですが、血糖コントロールすればよいのではなく、この本では治療の根本である食事療法や運動療法、そして医療費まで意識して学ぶことができます。

研修医は病棟で患者さんに相対することが多いと思うので、食事とか運動とかどうしたらよいか聞かれるかもしれません、そのためにも食事療法や運動療法に精通しておいて損はないです。
自分の健康管理にも役立ちますよ。

また、糖尿病だけでなく糖尿病患者を診る上で大事な合併症、高血圧、脂質異常症の管理まで学べます。
血糖値を見るのではなく糖尿病患者を診る、は忘れないように。

でもちょっと前の本なので、新規薬はカバーできていませんが、考え方は変わらないのではないかと思います。

300ページ弱ですが、こちらも読みやすいため私はすぐ通読できました。

おわりに

こう見ると「ロジック」が多いですね。最初に学ぶべきはロジックなのは間違いないです。

最初に手にとって興味を持ってもらいやすい1冊を厳選してみました。異論はあるかと思いますが私の今の1冊はこちらになります。

毎年更新していく予定ですので、おすすめの本あればコメントいただけたら嬉しいです。

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