今回の本は妊婦、授乳患者の処方に迷ったときの強力な味方です。
初診内科、総合内科などをやっている時に妊婦さんや授乳中のお母さんが様々な疾患で来院されてくることがあり、処方で悩むことはないでしょうか。添付文書でどの薬を見ても慎重投与ばかりですし、実際処方して大丈夫なのかも自信はないと感じある方は多いのではないでしょうか。
特に妊婦さんは薬を飲むことは好まないけど、ちゃんと症状をコントロールしてあげたいし、根拠をもって不安がない処方をしてあげたい、そう思うこともあるのでしょうか。
そういった時に1冊この本をぜひ使ってみてください。
この本は第1章では産科医療の基礎知識、薬の基礎知識で始まり、実際のインフォームドコンセントの大事さや、医薬品の情報源などが記載されており、基本的な対応の仕方が身につきます。
特に実臨床で役立つのは第2章の医薬品情報です。
妊娠、授乳期の様々な薬剤(抗菌薬から鎮咳薬、吸入薬など様々なもの)が総合評価で妊娠、授乳中に安全に使えるか、そしてそのそれぞれの薬剤について論文をもとにしたエビデンスが豊富に記載されています。
例えば花粉症がひどくて抗アレルギー薬を求めてきた妊婦さんがいる、基本的にはあまり処方したくないけどすごく困っているけどなんとかしたい、でもわからないからどうしよう、、、外にでないようにしてくださいとか説明するしかないか、薬剤師さんに聞いても時間がかかるし、、、後ろに患者さんも控えているし、、、ってなったりしませんか?
そんな時にこの本があれば、すぐに調べてどのような薬剤が安全に使用できる可能性が高いか確認でき、またその論文の内容も記載があり実際に妊婦さん本人にこういった報告があると説明して納得していただくことができます。安全だという報告とリスクの両方をきちんと説明することで、実際使用すべきかの選択をする機会を妊婦さんに与えることができます。妊婦さんの困った症状をうまく解決してあげることが良い結果につながると思いませんか?
また、妊婦さんの気管支喘息の治療はしたほうが良いのはわかっているが、実際どの吸入薬がいいのか、どんなエビデンスがあるのかもすぐに調べられますので、喘息のコントロールが大事だと言われてもステロイド吸入に難色を示す妊婦さんにもしっかりとしたエビデンスをもとに説明し、しっかりと理解していただきともに薬剤を選択することで、アドヒアランスも上昇し、ひいては患者本人のためになります。
電子版もありますので、スマホでも簡単に調べられますね。

初診や内科で来られると身構えてしまう妊婦さん、しっかり診察、診断して適切な処方ができる医師になってみませんか?
2020/10/15 追記
第3版出版されています。
m2Plus版もあり、すぐ手に取れるところにあるのが良いのではないでしょうか。
内容は詳しく読めていませんが、使いやすさは変わらず、正統派アップデートといったところでしょうか。
一冊手元においてあって損はない本だと思います。更新ペースも素晴らしいです。
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